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夫婦別姓ってできるの?メリットやデメリットを知っておこう

夫婦別姓のメリット・デメリット

「名字を変えたら手続きが面倒すぎた」

「夫婦別姓っていいことあるの?」

もうすでに結婚している人も、これから結婚する人も夫婦別姓については少しは興味があると思います。

昔は夫の名字に変えることが夢だったというような話もありますが、今は男女平等の価値観の中でその考えも変わりつつあります。

夫婦別姓の現状

日本では現在「夫婦別姓」というは可能なのでしょうか?

正式な結婚では「できない」

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、 夫または妻の氏を称する民法第750条

日本の法律では、婚姻関係になった夫婦は、夫か妻のどちらかの姓に統一しなければならないということが定められています。

また、法律では「夫か妻のどちらかの姓に統一せよ」となっているにもかかわらず、95%以上の夫婦が夫の姓に変更しているという事実もあります。

【結婚後の夫婦どちらの姓に統一したかの割合】

西暦 夫の姓に統一 妻の姓に統一
1975年 98.8% 1.2%
1995年 97.4% 2.6%
2005年 96.3% 3.7%
2015年 96.0% 4.0%

出典:平成 28 年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況

 

しかも、過去40年間でその割合はほとんど変わっていません!

 

この背景には、結婚したら男性が家族のリーダーになるもの(なるべき)、女性は(仕事もするけど)どちらかと言えば内助の功になるもの(なるべき)という固定概念が引き継がれていると言えます。

これは「女性の地位がまだまだ低い」という単純なものではありません。現状、女性の地位は男性よりは低いと感じていても、上の表のように4%とは誰も思わないでしょう。

根底には、女性のほうも「別姓が当たり前」「別姓はどうせ叶わない」「夫の両親が了承するはずない」という、あきらめのような感覚があるといえます。

世界では「夫婦別姓」は当たり前

日本では法律上、正式な婚姻関係になった場合には名字を統一しなければなりません。

しかし、世界では夫婦別姓が当たり前になっているんです。

【国別の夫婦の姓の変更状況】

国名 名字統一義務 別姓選択制 別姓義務
日本
アメリカ
カナダ
イギリス
フランス
ドイツ
オーストラリア
オーストリア
中国
韓国
ロシア

※アメリカ・カナダは州によって法律は異なります。中国は夫婦別姓が一般的(変更可能)

 

なんと、日本だけが夫婦の名字統一の義務が課せられているのです。

 

ちなみに、日本は国連から再三「夫婦別姓を選択できるようにするべき」という勧告を受けています。

夫婦別姓が叶う抜け道

夫婦別姓の抜け道

正式な婚姻では夫婦別姓は叶いませんが、「夫婦別姓っぽい」ことにすることはできます。

通称を使用する

結婚してからも同じ会社で働く場合に、戸籍上は姓が変わっているのですが、便宜上「旧姓」を使用することがあります。いわゆる「通称」というものです。

取引先などにわざわざ名字が変わったことを伝えるほうが、業務に支障が出るという場合に使用します。会社の社則によっては、通称を許可していない場合もあるので注意が必要です。

あとはfacebookなどでは、旧姓のほうが友人から探してもらいやすいということで、プライベートでも通称を使用する場合もあります。

ただし、免許証、銀行口座、パスポートや国家資格等は戸籍上の名字が必要となるため、名乗る名字(通称)と身分証明書の名字が異なることとなり、本人は使い分ける面倒さがあります。

籍を入れず事実婚にする

最近有名女性ブロガーが「事実婚」を公表したことでも注目を集めました。

事実婚とは、ニュースなどでよく言われる「内縁の妻」、つまり「結婚していないけど、夫婦同然の関係」とみなされた状態です。

法律婚をしていなくても、同じ住所に住んでいれば事実婚でも住民票で同一世帯とすることができ、手続きも簡単です。

ただし、子供ができた場合、非摘出子(婚外子)扱いになったり、税金・社会保険の優遇が受けられなかったり、勤務先で結婚手当などがもらえないなど、現状デメリットのほうが大きすぎます。

夫婦別姓が実現したら

夫婦別姓を選択できる法律(一般的には選択的夫婦別姓制度という)は、一度は実現するかもと期待はされていました。

民法750条は、夫か妻のどちらかの姓を名乗る「夫婦同氏原則」を定めており、新制度導入には民法改正が必要。1996年に民法改正案要綱に盛り込まれ、民主党への政権交代で推進派の期待は高まったが、実現していない。朝日新聞DIGITAL

結局1996年以降、議論は進まずに現在に至っています。命に係わることではないことや、特に現行のままで支障がないことから優先的に進まないと考えられます。

さらに、夫婦別姓に反対している人が、選挙の票を握っている年配層で多いということもあります。

日本経済新聞社の昨年12月の世論調査では選択的夫婦別姓制度に「反対」が52%で、「賛成」の35%を上回った。20~50歳代は賛成が多かったが、60歳代以上の反対が多い。NIKKEI STYLE

しかし、夫婦別姓には女性にとってはもちろん、社会的にもメリットがたくさんあります。

夫婦別姓で期待されるメリット

夫婦別姓のメリット

夫婦別姓ができるようになると、女性にとっても社会にとってもメリットがあります。

女性の地位がますます向上

女性の地位は、男女平等の機運が高まっている現在でも、それほど上がったと実感している人は少ないでしょう。

夫婦別姓になると、女性は自身のアイデンティティを守ることができ、ネームバリューを保持することで社会的な地位を確立しやすくなります。

プライバシーを守れる

結婚や離婚で名字が変わるということは、女性にとっては「結婚した」「離婚した」ということを暗に発信しているも同じなのです。

わざわざ周りに発表したくないプライバシーを改姓によって侵害されているといえます。

名字変更の手続きが無くなる

名字を変更すると、銀行口座、保険証、年金、免許証、パスポート、クレジットカード等とにかくいろいろな手続きに忙殺されます。

これは当人だけでなく、行政や企業の仕事を増やしていることになるので、社会全体の効率を下げているといえます。

この手続きがなくなるだけでも、当人やそれに関わる役所や企業の仕事が減るでしょう。

出生率がアップするかも

日本の少子高齢化が進んでいるのは、何も晩婚化や不況だけが影響ではありません。

結婚しなければ子供を産めないというルールが、出産を遠ざけている側面もあります。

夫婦別姓が選択できると、結婚して子供を作った場合に、離婚して母親の姓のまま子供を育てるということが可能になり、手続きの手間がなくなったり、プライバシーの確保ができます。(本当は婚外子を認めるほうがいいのですが)

離婚しやすくなる

手続きがめんどくさい、子供の姓を変えたくない、といった理由で離婚しないという人も一定数存在します。

名字を変える必要がないと、離婚するのが簡単になります。

法律の矛盾が解消

実は日本でも国際結婚をした場合は、夫婦別姓が認められています

これは国際社会では夫婦別姓が一般的だと日本もわかっているからこそ、そのようになっているわけで、この矛盾が解消されます。

名字が受け継げる

日本人にとって名字は特別なもので、絶やしたくないと思う人が多いです。

子供が全員娘だった場合、全員をお嫁に出すと名字が受け継がれないということになります。

夫婦別姓になれば、子供に母親の姓を名乗らせることができるので名前を継ぐことができます。

夫婦別姓で起こりうるデメリット

夫婦別姓のデメリット

夫婦別姓というのは、メリットだけではありません。デメリットもあるので、法改正の際には議論される必要があります。

子供の姓問題

子供が生まれた場合に、父親の姓にするか母親の姓にするかは、かなり頭を悩ませることになりそうです。

現状では結婚するときに事前に決めておくという案と、子供は全員同じ姓で統一するという案があります。

いずれにせよ、離婚した場合の親権問題にも関わってくることなので難しい問題です。

離婚が増える

結婚や離婚のハードルの一つに改姓という面倒な手続きがあるわけですが、それが無くなると結婚も離婚も簡単にできてしまうことになります。

離婚率が増えることが決して悪いことではないのですが、シングルマザーの問題などが増える可能性もあります。

進む核家族化

ある意味同じ姓を名乗ることで、家や家族の一体感を感じられたとも言えます。

すでに核家族化は進んでいますが、両家の交流がより少なくなることでさらに進む可能性があります。

仕事が増える可能性も

夫婦別姓を「選択」できるようになるということは、同じ姓の夫婦と別姓の夫婦ができることになるので、それに対応した仕組みを新たに構築しなければなりません。

役所や銀行、国や企業、そのシステムを変えるのは容易ではないでしょう。夫婦同一姓の時より煩雑になる可能性もないとは言えません。

女性が訴えないと変わらない

いかがでしたか。夫婦別姓というのは、結婚している人にはもう今さらの感じもしますが、自分の娘や息子が大きくなったときにどっちがいいのか、というのは考えてみてもいいかもしれません。

いずれにせよ、男性陣にしてみれば「どっちでもいい」「むしろ反対」という意見が多いでしょうから、女性が声を上げないと変わらないでしょうね。

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ライター紹介 ライター一覧

たか子

たか子

定年間近の夫と二人暮らし。2人の子供も独り立ちして、仕事をちょこっとしながら趣味の水彩画やパンフラワーなどを楽しんでいます。育児や家事の経験はそれなりにあるので、楽しんで育児や家事ができるようなお役立ち情報を発信できればと思います。今は子供がいなくなって夫とまたふらり暮らしになってしまったので心地よい過ごし方を模索中。

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