定年夫が邪魔で役立たず!夫の心理と老後の夫婦円満のコツ
定年を機に夫婦生活というのは新たなステージになると言えます。子供も独立し、仕事も卒業して年金生活、毎日が日曜日みたいな老後生活・・・。
夫は仕事が終わってのんびりできるのを楽しみにしているかもしれませんが、妻は毎日夫とどのように過ごしていいのか戦々恐々としているという話はよく聞きます。
定年夫は邪魔なのか?役に立たないのか?夫の心理から老後の夫婦円満の秘訣を探ってみます。
Contents
定年夫を持つ妻の不満
定年を迎える夫というのは自分が背負っていた大きな仕事の重荷が降ろせるということもあり、定年後の生活には安堵感が大きいという結果が出ています。
一方、妻のほうは自分の時間が減ったり、家事が増えたり、気を遣うことが増えそうだということで不安のほうが大きいという結果に・・・。
【定年当初に感じた気持ち】
夫 | 妻 | |
---|---|---|
自由にできる時間が増えて楽しい | 71.8% | 13.6% |
重荷が降りて安堵感がある | 60.3% | 20.1% |
趣味仲間と交流が楽しみ | 30.1% | 6.5% |
充実感を感じる | 19.2% | 2.6% |
出典:定年夫婦の「光」と「影」に関する調査研究| 財団法人ハイライフ研究所
夫が自由になると妻は不自由になるし、夫は仕事の重荷が降りたかもしれないけど妻は夫が重荷だし、夫がいることで交流が少なくなるのは妻だし、そう考えると妻の気が滅入るのも当然です。
さらに、夫が定年後に感じるストレスというのは、健康面や経済面、交友関係にあるのに対して、妻が定年後に感じるストレスはほとんどが夫との関係についてというのが、夫婦のすれ違いとして表れています。
・仕事がないこと
・経済的に現在の不自由さと将来不安
・収入および小遣いが大幅に減ったこと
・健康に対する不安
・会社勤務時代の仲間との疎外感
・妻といるのがいやに感じる
(中略)
【ストレスの具体的内容(女性)】
・収入が減って、将来の生活が不安・時間通りに食事を作らなければならない
・外出が減ったので1日中顔を合わさなければならない
・一緒に過ごす時間が多くなり相手の欠点が気になってきた
・何の目的もなくボーっとしている姿を見るとイライラ
・自分だけの時間が少なくなってイラつく
・お互いにこれぐらいはしてくれるだろうと思っていても期待外れ
・夫が家事を手伝わない
・夫に気を遣うのがわずらわしい
・夫のマイペースにイラつく・夫の詮索が厳しく苦痛を感じる
・自分のやることに夫がいちいち口出ししてくる財団法人ハイライフ研究所
特に夫へのストレスを感じている「夫が家事をしない」「夫が家に居座る」問題について、夫の心理から対処法を考えていきます。
家事をしない定年夫の心理
定年夫はなぜ家事をしないのか?その答えはただ一つプライドが邪魔をしているからです。
「面倒だから」「家事は妻がするもの」と夫が考えていると思っている妻もいると思いますが、それは表面だけしかみていなくて、実際には夫は手伝いたいと心の片隅では思っている人が多いです。
でもそれはできない。これは家事を仕事に例えるとわかりやすいです。
夫は自分がこれまで培ってきた仕事の経験値がアイデンティティになっている節があります。「俺はこれだけやってきた」「こんなに部下がいる」「こんな大きな仕事ができる」など、自信とプライドがそこにはあったわけです。
しかし、定年すると妻の仕事(家事)を手伝うことになります。妻が仕事上の先輩となり、自分は仕事(家事)の一つもできない新社会人のような感じです。すると夫は「こんな仕事は俺がやるもんじゃない」「俺はもっとすごいことができていた」「妻に教えてもらうなんてごめんだ」というプライドが邪魔して素直に手伝うことができないというわけです。
これは特に出世して役職が高かった定年夫になればなるほど多いと言われています。
家事をしない夫の対処法
まず大前提として、妻が当たり前にやっている家事は、夫にとっては未知の仕事だということを認識してください。新卒の社会人みたいなもので、社会のルールから教えないといけないレベルだということですね。
そして、できるだけプライドを損ねないようにしなければいけません。ちょっとでもプライドが傷つくと拗ねて手伝うのをやめてしまいます。ゆとり世代の新社会人みたいですね。
会話の中で家事のノウハウを伝える
例えば、超簡単な皿拭きくらいからさせてみるとします。そしてその横で妻は皿洗いをします。その時に皿洗いのコツを何気なく会話の中に入れて夫に知識として教えるわけです。
こんな感じで、何気にスポンジにつける洗剤の量や、皿を洗う順番などを教えているわけです。男というのは女に教えられたりダメだしされることを嫌う面倒な生き物なので、「洗剤つけすぎ!」とか「汚れた皿から洗ったらダメ」とか「そんなこともわからないの?」という空気を出さないようにすることがポイントです。
とにかく褒める、称賛する
女というのは共感を得たい生き物なんですが、男というのは称賛を得たい生き物なんです。だから、家事を無事にこなしたら「すごい」「ありがとう」など、やや大げさに言ってあげると喜びます。
「俺はもっと大きな仕事をやってきたから家事くらい余裕だ」と思わせればしめたものです。家事を下にみられるのは腹立たしいですが、夫の調教と思えばどうってことはありません。
定年夫が家に居座る心理
定年した夫が家に居座るのがストレスになっている妻は多いです。ご飯を毎日作らないといけないし、好きなテレビは見れないし、何となく干渉されているような気がして心が休まらないなどの不満を抱えているわけです。
しかし、夫としては仕事を辞めて会社の人と会うこともなくなり、かといって近所に友人がいるかといえばいない、仕事に追われて趣味らしい趣味もない、つまり心を許せる友人のような存在は妻しかいないのです。
もっと言えば、夫は自分が家にいることで「俺と一緒にいる時間が増えて(妻としては)うれしいだろう」くらいに思っています。これは真面目にそう思っています。
この衝撃的な事実を受け入れることから始めましょう。
家に居座る夫の対処法
対処法としては「私には私の時間があるのだ」ということを夫に理解してもらうことから始めるのがいいでしょう。具体的には夫がいる部屋から離れて別の部屋で過ごすとか、日中は夫に気を遣わずに外出をするとかいう具合ですね。
夫は最初「なぜ妻はすぐにどこかへ行くのか?」といぶかしがるでしょう。時にはついてくることもあります。そういう時には、「私には私の時間があって、交友関係があったのよ」ということをハッキリ伝えましょう。
最初は夫も戸惑うかもしれませんが、あとは慣れの問題で時間が解決してくれます。夫が妻のことを心が許せる存在と思っているのだから、妻も夫には心を許して自由に振舞っていいんです。
放っておきすぎると老け込むので注意
ただし、夫が何も言わないからと言って自由奔放に過ごすというのは良くありません。
なぜなら、仕事が無くなり生きがいも無くなってしまった場合は、夫の老いるスピードが速まってしまう危険性があります。老いが早まれば病気や介護のリスクが高くなり、結局それは妻への負担につながってしまいます。
「自分がよければいい」というのではなく、夫が暇そうにしていたら一緒にできることを探して提案してあげるとか、たまには外出先に一緒に連れていくとか、趣味を勧めてみるとか、夫の健康のために社会とのつながりを作ってあげる優しさは必要です。
まとめ
定年後の夫というのは、最初は仕事人間の状態で融通が利かずに邪魔に感じたりするものですが、それも時間の経過とともに軟化していきます。
人は急には変わることができないので、徐々に見守っていくことが妻の役目といえるでしょう。突き放して夫が病気や要介護になってしまうと余計に自分の負担が増えてしまいます。
そうならないように、夫との関係を良好に保っていくことを心掛けたいですね。