疲れが抜けない人が気づいていない疲労と疲労感の違い
歳を取ると疲れが抜けないと感じることもありますよね。
疲れが慢性化するとお肌にも良くないし、シワやたるみ、くまなどの老化の原因にもなってきます。さらには生活習慣病や病気のリスクも高まるといわれています。
わかっていても疲れが抜けない・・・そんな人は間違った疲労回復をしているかもしれません。
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間違った疲労回復チェック
疲れが抜けない原因は間違った疲労回復方法をしているからではないでしょうか。
一般的に知られている疲労回復方法が実は思い込みだったということがあります。以下のようなことをしていないかチェックしてみてください。
健康的な早寝早起き
早寝早起きは健康にいいというイメージがありますが、それは寝る時間と起きる時間が早いほどいいということではありません。
暗くなったら寝て、日が上がっている間に活動をするのが良いという程度のこと。あとは寝すぎない、夜更かししないようにするための戒めのおまじないみたいなものです。
とくに早起きには要注意で、寒い日などに急に布団から出ると血圧の急上昇により、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
早起きはいいのですが、目が覚めてすぐに動き出さずに布団の中で伸びをしたりゴロゴロして、身体に活動準備のサインを送るようにしましょう。
そして、布団のそばには羽織るものを用意しておいて、身体が急激に冷えないように注意したいですね。
疲れたらソファでリラックス
家にお気に入りのソファがある人は、リラックスのためについ長時間くつろいでしまうこともあるでしょう。
しかし、柔らかいソファや座椅子、クッションチェアなどは不自然な態勢になりやすく腰や首を痛めやすくなります。
さらに深く腰が沈み込むような柔らかいものは逆に血流を悪くして身体に悪影響を及ぼします。
好きなことに没頭する
好きなことに没頭して楽しむことで疲れを取ろうと考えることもあるでしょう。確かにストレス発散にはなるかもしれませんが、疲れは抜けません。
これは自律神経に関係があります。好きなことに没頭するというのは、自律神経の交感神経を刺激します。
交感神経は心身が活動的な時や興奮状態の時に働き、リラックス状態のときに働く副交感神経とは真逆の働きをします。
つまりストレス解消になり疲労が吹っ飛んだ気がするのですが、実は疲労はむしろ溜まることになり、疲れは抜けないというわけです。
お風呂でリラックス
疲れを癒すためにお風呂に長時間入るという人もいると思います。最近ではスーパー銭湯のような大浴場でゆったり浸かれる施設も充実していますからリラックス目的で行く人もいるでしょう。
しかし、お風呂でリラックス効果を得るには、温度をしっかり管理しないといけません。
熱いお湯につかると身体は興奮状態になりリラックス効果はありません。さらに体力も消耗することから疲労感は増すことも。
お風呂でリラックスするためには、ややぬるめの温度で長めに入るというのが疲れを取るコツです。
具体的には夏は約39度、冬は約40度くらいが良いといわれていますが、熱いと感じる温度は人それぞれちがうので、10分くらい入浴できてのぼせない温度(ややぬるめ)を自分で探してください。
栄養ドリンクを飲む
仕事や家事が終わらずに一時的な疲れを取るために栄養ドリンクやエナジードリンクなどに頼る人もいるでしょう。
栄養ドリンクを飲むと何となくシャキッとして疲れが取れたように感じるかもしれませんが、それはカフェインの覚醒作用によるものです。
また、少量のアルコールなどは気分を高揚させ、疲労感が無くなったように感じますが、それは脳と身体をごまかしているにすぎません。
疲労と疲労感の違い
疲れが抜けないと感じている人は「疲労」と「疲労感」を区別していないことがあります。
例えば、つまらない映画と面白い映画を同じ映画館でそれぞれ2時間観たときに、つまらない映画を観たときに疲れを感じる経験をした人もいるでしょう。
2時間座っていただけなので、身体に「疲労」は少ないはずです。でもつまらない映画の場合は「疲労感」が生まれます。
このことからも身体的な「疲労」と精神的な「疲労感」は違うということがわかるでしょう。
そして、「疲労」は身体を休めれば回復するのに対し、「疲労感」は身体を休めても回復するとは限らないということです。
例えばママさんバレーに参加したとして、勝ったチームと負けたチームの疲れの度合いはどうでしょう。
身体的には「疲労」がどちらのチームも溜まるはずですが、勝ったチームのほうが「疲労感」は少ないケースが多いです。
ということは、疲れが抜けないという人は、肉体的な「疲労」ではなく、精神的な「疲労感」のほうが蓄積されていると考えられます。肉体的な「疲労」は体を休めると回復しますからね。
疲労感は脳からのサイン
疲労感は脳の自律神経の乱れによって起こるものと考えれらています。
自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、交感神経は心身がアクティブに活動している状態(興奮、緊張、ストレスなど)で優位に働き、副交感神経はリラックス状態で優位に働きます。
この二つの神経がバランスよく働くことで、健康的な生命活動ができます。
ストレスや緊張、興奮により交感神経が優位になりすぎると、脳から活動停止のサインがでます。これが「疲労感」の正体です。
疲労感を感じると休息を取ろうとしますよね。そこで副交感神経が優位にきちんと働けば疲労感は取り除けるはずなんです。
しかし、疲れが抜けないという人は副交感神経が優位に働いていない、つまり本当の意味でのリラックスができていないということになります。
疲労感の回復は質の良い睡眠
リラックス状態で働く副交感神経は、日中の休憩時間やお風呂のリラックスタイムでも働きますが一番優位になるのは睡眠中です。
したがって、睡眠の質を上げることが疲労回復の最善の方法ということになります。
睡眠の質を上げるというのはよく聞きますが、それができればとっくに疲れは抜けてるはずですよね。
そんな人のために睡眠の質を上げる3つのコツをご紹介します。
就寝90分前までに入浴
睡眠時に副交感神経を優位にするには、就寝までに交感神経を休ませるようにしたほうがいいでしょう。
良質な睡眠は眠り始めてから3時間で決まるといわれており、眠る前の早い段階で副交感神経を優位にしておくほうが良いというわけです。
入浴するときのポイントは、温度をややぬるめに設定して10分程度快適に入れるくらいにすることです。
熱いお湯だと逆に興奮状態になり交感神経が優位になるので注意しましょう。
就寝まで身体を冷やさない
入浴をした後に身体を冷やしては意味がありません。
身体を冷やすと体温を逃がさないように防御しようと交感神経が優位に働いてしまいます。同様に発汗するほど暑くても交感神経が優位に働きます。
だから入浴後は体温が変動しないように、快適な温度を保つようにエアコンを調整したり、衣服で調整しましょう。
就寝30前に液晶画面を見ない
最近多いのは布団に入ってからも寝るまでスマホを触ってしまうという人です。
スマホやパソコンの液晶画面などからは、強い刺激のあるブルーライトが放出されています。
目に強い光が入ることで脳が覚醒してしまうので、いざ眠ろうとしたときに眠れなかったり、深い睡眠までいかない場合があります。
できれば就寝30分前までにスマホなどを触るのはやめて、できれば室内の照明もやや落としてあげると身体が寝る準備を始めます。
疲れが抜けない人は睡眠を見直そう
睡眠の質をあげるには、上記のコツの他にも枕を変えるとか、適度な運動で身体に疲労を与えるとか、人によって方法はさまざまです。
疲労感が取れない人は日ごろの自分の睡眠が良いものなのか悪いものなのかをチェックして改善してみてはいかがでしょうか。