共働き夫婦(フルタイム)の家事分担でケンカしない方法とは
共働きの夫婦でケンカになりやすいのが、家事分担のことですよね。
妻も夫もフルタイムで働いている場合には、出勤時間も違えば帰宅時間も違います。ストレスの大きさも違うし、収入も違ってきます。
「俺のほうが稼いでいるんだからもっと家事をしろ」とか「働く時間は同じなんだから家事も平等にしようよ」なんて言い出したら家事分担はまとまりません。
今回は実際に共働きで家事分担をうまくやっている夫婦に取材して円満に家事分担ができるコツを聞いてみました。
一般的な共働き夫婦の家事分担の割合
その前に一般的な共働き夫婦は家事をどれくらい分担しているのかを見てみましょう。
マクロミルの調査によりますと、フルタイムで共働きの夫婦の家事分担状況は以下のようになっています。
出典:市場調査メディアホノテ
これを見るとほとんど妻が家事をしているという夫婦が約66%にもなります。
理想的な家事を半々で分担しているというのは、約30%にとどまっていて、夫が家事をほとんどしているに至ってはわずか2.5%という結果になっています。
しかし、一方で若い世代の夫婦では夫が家事を積極的に手伝う傾向が増加してきているので、今後は妻と夫が半分ずつ家事分担する未来がくるかもしれません。
共働きで家事分担がうまくいっている夫婦
今回取材した家事分担がうまくいっている夫婦についてのスペックをご紹介します。
夫 | 妻 | |
---|---|---|
結婚 | 4年目 | |
子供 | 無し | |
年齢 | 36歳 | 34歳 |
仕事の曜日 | 月~金 | 月~金 |
休日 | 土・日・祝 | 土・日・祝 |
就業時間 | 8:30~18:00 | 8:30~17:30 |
残業 | たまにあり | なし |
年収 | 360万 | 400万 |
典型的なフルタイム会社員の夫婦という感じです。ポイントとしては妻のほうがやや年収が高いことと、家に帰宅する時間が妻のほうが早いということです。
実際の家事分担内訳
取材した夫婦の家事分担の状況というのは以下のようになります。
主要な家事の項目に対して、どれくらい負担しているかをパーセンテージで表してもらいました。
夫 | 妻 | |
---|---|---|
ゴミ出し | 10% | 90% |
新聞・雑誌(月2回) | 100% | 0% |
朝ごはん | 50% | 50% |
昼ごはん(休日) | 30% | 70% |
晩ごはん | 20% | 80% |
食器洗い | 90% | 10% |
お風呂掃除 | 90% | 10% |
洗濯 | 0% | 100% |
洗濯物たたみ | 60% | 40% |
掃除(週1回) | 50% | 50% |
客観的にみると、やや妻のほうが家事負担が大きいような気がしますが、それを奥さんに尋ねると実感としては半々でやってもらっている感覚ということです。
ということは、お互いの仕事の状況に対して、夫の家事の負担量ではなく、夫がどれくらい家事に貢献してくれているかのほうが妻にとっては大事だということでしょうね。
共働き夫婦の家事分担をうまく回すコツ
取材した夫婦の話を聞いて、共働き夫婦の家事分担をうまく回す方法というのをまとめてみました。
キッチリ家事分担しない
家事分担というと、これは夫がする、これは妻がするというようにキッチリと分担を決めたり、奇数日は夫がする、偶数日は妻がするなど不公平感がなくなるように分けがちですよね。
しかし、仕事の内容や出勤時間、帰宅時間が夫婦で異なる場合は、キッチリ役割を決めずにざっくりと「食事を作らなかった人が皿洗いをする」のようなルールを作るほうがうまくいくということです。
そうすると食事を作るほうが大変だと思いがちですが、例えば妻が食事を作っている間は、夫は洗濯物をたたんだり、お風呂掃除をしたりと手の空いている人が他のできる家事をするという風にしているとのこと。
細かいところでは、この夫婦は朝家を出る時間がほぼ同じなので、朝ごはんは交互に作っているそうです。それでも全く一人が担当するということではなく、食事を作っていない人は食器などを用意するなどちょっとしたお手伝いをするということです。これはルールではなく、何となく一人で食事ができるのを待つのは気が引けるので手伝うということのようです。
家事分担をキッチリ決めないことで、「自分の役割じゃないからしない」という気持ちを生まないわけですね。
感謝を伝える
この夫婦は役割をキッチリ決めていないので、例えば夫がたまたま食事を作りたいモチベーションが高い時に勝手に調理を始めたりします。
すると、食事を作るつもりだった妻は手が空くので、いつも夫がしているお風呂掃除を始めます。
この時妻は「ご飯は私が作るつもりだったのに、作ってくれてありがとう」という気持ちが生まれ、夫は「風呂掃除もしようと思っていたけど、掃除してくれてありがとう」という気持ちになるというのです。
ご飯を食べるころには妻から夫に「(ごはん作ってくれて)ありがとう」、逆に夫から妻へ「(お風呂掃除してくれて)ありがとう」という言葉が出るそうです。
これぞ夫婦の鏡のような感じですが、お互い働いているし協力するのは当たり前、家事をするのも当たり前、そういった姿勢を夫婦で共有できていることが大事だということですね。
やっぱり最後は思いやり
最後に共働きで家事分担できない夫婦がいることについて聞いてみました。
旦那さんからは、自分がもし家事をしなかった場合、おそらく妻は文句を言わずに当たり前のように家事をしてくれると思うからこそ、妻がしんどい思いをしないように手伝えることを手伝っているだけだということでした。う~ん、夫の鏡ですな。
逆に奥さんからは、夫は勝手に手伝ってくれるのでそういう夫を見つけたことが幸運なんじゃないかと思うということでした。
なるほど、この夫婦にとっては家事分担が当たり前すぎて、逆に家事分担ができない夫婦が理解できないという感じですね。
取材した他人の私から見た意見ですが、これは思いやりがあるかどうかの問題で、「夫に家事をさせたい」「妻が家事をするのが当たり前」とお互い思っている時点でどうにもならないような気がしてきました。
夫が家事をしてくれないと嘆いている奥さんは、思いやりを期待せず夫をうまく操縦することで家事をさせてみる方法を考えてみてはいかがでしょうか。