よその夫婦の貯金はいくら?たくさん貯めるコツと減らさないコツ
「貯金」と「貯蓄」の違いって知っていますか?
これを知らない人は、貯金初心者と言われても仕方ありません。
「貯金」はお金を貯めること、または貯めたお金のことです。
「貯蓄」は貯金も含め、金融資産の総称を指します(投資信託、保険、株式、個人年金等)。
今回はよそ様の貯金の金額と、貯金をするコツ、貯金を減らさないコツを紹介します。
Contents
よそ様の貯金額の実態
貯金がどれくらいあるのかというのは、例え親友だとしてもなかなか言い合うことはないでしょう。
でも、本音で言えば知りたいというのが人間というものです。
30%の人は貯金が無い
金融広報中央委員会の調査によりますと、年代別の貯金額の平均は以下のようになります。
【世帯主の年代別貯金額平均】
世帯主の年代 | 貯金額 |
---|---|
20歳代 | 151万円 |
30歳代 | 126万円 |
40歳代 | 202万円 |
50歳代 | 257万円 |
60歳代 | 308万円 |
70歳以上 | 457万円 |
見るべきところは30代の貯金のほうが、20代の貯金より低いというところです。
これは子育ての中で出費が大きくなるのがちょうど30代から40代の間ということになるので、こういう結果になったと思われます。
次に貯金を含む金融資産を持っていない人の割合(貯蓄ゼロの割合)を見てみましょう。
【金融資産を保有していない世帯の割合】
世帯主の年齢 | 貯蓄ゼロの割合 |
---|---|
20歳代 | 35.6% |
30歳代 | 33.7% |
40歳代 | 33.7% |
50歳代 | 31.8% |
60歳代 | 29.4% |
70歳以上 | 28.3% |
出典:家計の金融行動に関する世論調査
世代別では20代がダントツで高く、年齢が上がると徐々に減っている傾向になっています。
平均すると31.2%の世帯が貯蓄ゼロということになります。
平均貯蓄額の平均1,151万円のカラクリ
金融広報中央委員会の調査で、もう一つ面白いデータがあります。
それが貯蓄(貯金を含む金融資産)の全国平均で、なんと平均1,151万円もあるそうです。
「そんなもってねぇよ!」という声が聞こえてきそうですが、これにはカラクリがあります。
平均ということは、全員の貯蓄額を合計して人数で割るということですね。
中には以下のような超大金持ちも含まれるわけです。
【2016年の資産額ランキング】
順位 | 役職 | 資産額 |
---|---|---|
1位 | ファーストリテイリング会長兼社長 | 1兆5038億円 |
2位 | ソフトバンク社長 | 1兆2031億円 |
3位 | キーエンス名誉会長 | 7416億円 |
4位 | 楽天会長兼社長 | 5768億円 |
5位 | 森トラスト社長 | 5047億円 |
6位 | マルハン会長 | 4012億円 |
7位 | セブン&アイ・ホールディングス名誉会長 | 3708億円 |
8位 | ABCマート創設者 | 3605億円 |
9位 | ユニチャーム取締役創業者 | 3605億円 |
10位 | 三共名誉会長 | 2987億円 |
11位 | 森ビル取締役 | 2575億円 |
12位 | 日本電産会長兼社長 | 2266億円 |
13位 | ニトリホールディングス社長 | 2060億円 |
14位 | 光通信会長兼CEO | 2060億円 |
15位 | スタートトゥデイ社長 | 1648億円 |
16位 | 大東建託創業者 | 1648億円 |
17位 | ドン・キホーテホールディングス創業会長兼最高顧問 | 1339億円 |
18位 | コロプラ社長 | 1236億円 |
19位 | 三共代表取締役会長CEO | 1133億円 |
20位 | ベネッセホールディンクス最高顧問 | 1133億円 |
このような超資産家の人たちが平均を大きく底上げしているのです。
ということで、貯蓄額の目安を知るには「中央値」といって、平均とは少し違う指数を見ます。
【世帯別貯蓄の中央値】
世帯主の年齢 | 貯蓄の中央値 |
---|---|
20歳代 | 77万円 |
30歳代 | 200万円 |
40歳代 | 220万円 |
50歳代 | 400万円 |
60歳代 | 601万円 |
70歳以上 | 600万円 |
出典:家計の金融行動に関する世論調査
中央値とは、データを大きい順に並べたとき、全体の中央に位置する値のことです。
かなり現実的な数値になりましたよね。この中央値より上か下かを見て、もう少し貯金が必要だとか考えればいいかもしれません。
貯金をするコツ
貯金というのは「何となく貯めないといけない」というボヤっとした意識ではなかなかうまくいきません。
目的を明確にする
まずは何のために貯金をするのか、しなければならないのか、ということを明確に考えましょう。
将来子供が欲しいというのなら出産費用のため。
子供を大学まで行かせたいというのなら養育費用のため。
マイホームを手に入れたいというのなら購入費用(頭金)のため。
というように、ビジョンが明確にあれば貯金の意識が高くなっていきます。
目標額を決める
目的をハッキリと決めたら、次は実際にどれくらいのお金がかかるのかを考えましょう。
例えば、5年後にマイホームが欲しい場合、頭金を500万は揃えたいと考えました。
ということは、1年で貯金しなければいけない額は100万円です。
さらに1ヶ月あたりの貯金で考えると毎月84,000円となります。
ボーナスが2回ある場合は、月5万円×12か月=60万円、ボーナスから20万円×2回でもいいでしょう。
このように具体的に決めれば決めるほど、貯金のイメージが明確になるので実行しやすくなります。
積立など強制的に貯金
あとは貯金を実行するだけなのですが、積立貯金など強制的に徴収されるようにしておけば簡単に貯金できます。
ただ、「いざという時に引き出せないと困る」という場合は、貯金専用の口座を作って、給料日にまず毎月の貯金額をその口座にうつすようにすればいいでしょう。
残った給料で家計をやりくりするようにすればいいのです。その時に、「ちょっと足りないかも」と思うかもしれませんが、そこは節約の工夫をして乗り切ってください。
追い込まれると意外に突破口を見つけられるものですよ。でも無理はしないでくださいね。
口座をまとめると貯金が減るかも
夫婦で貯金を考えた場合に一元管理したほうがいいと思って、共通の口座を貯金口座にするケースがあります。
しかし、共通の貯金口座を作ってしまうと、貯金が減るリスクがあります。
- 相続で貯金が減る
- 離婚で貯金が減る
- マイホームで貯金が減る
相続で貯金が減る
例えば旦那さんの名義で夫婦共有の貯金口座を作るとします。
縁起の悪い話ですが、旦那さんが亡くなった場合、夫婦共有の貯金口座の名義は旦那さんですから、口座に入っているお金の全額(妻が入れたお金も含め)が相続対象になる可能性が高くなります。
妻は基本的には半分相続することになりますが、子供がいる場合には子供に半分相続されますし、子供がいない場合には旦那の両親や兄弟に相続されることもあります。
つまり、夫婦共有の貯金だったはずのお金が相続によってバラバラになる可能性があるんです。
離婚で貯金が減る
結婚後に夫婦共有の貯金口座を作った場合、その後離婚してしまったら、口座に入っているお金の内訳について揉める可能性があります。
基本的には結婚後に夫婦で作った資産に関しては半々なのですが、夫婦共有の口座に自分のほうがたくさんお金を入れていた場合は目減りすることになります。
マイホームで貯金が減る
夫婦共有の貯金口座からマイホームを購入した場合、形式的には口座の名義人が支払ったことになります。
そこで、住宅の持ち分を1/2にしてしまうと贈与税を支払わなければならない可能性があります。
持ち分とは、不動産を複数の人が所有する場合、誰が、どのくらいの割合で持つかを示すもので、基本的には資金を出した割合と持ち分が同じ比率にするのが望ましいとされています。
だから例えば、2000万円の不動産を旦那名義の口座で購入した際、お金を出したのは100%旦那となります。しかし、持ち分を2分の1ずつにすると、夫から妻に対し1000万円の贈与とみなされ、贈与税の課税対象となってしまうというわけです。
家計の口座はまとめて貯金口座は分ける
夫婦共働きの場合には、貯金口座は別々に作っておいて、家計の口座をひとつにまとめるとうまくいきます。
夫婦の収入からお互い毎月貯金する金額をお互いの貯金口座に入れます。
次に夫婦お互いのお小遣い分を残して、それ以外を家計用口座にまとめます。
家族の生活にかかるお金は、夫婦どちらかが家計用口座から捻出していくようにします。
そうすれば、貯金用に作った口座のお金は名義人のものになるので、それぞれが口座を持つことが、万が一のトラブルを防止することに繋がります。
貯金はやる気と根気
貯金ができるかどうかは本人のやる気次第ということも言えます。
毎月1円でも意識をして貯めれば、それは「貯金」ですし、いくらお金があっても貯金の意識がないと、それは「貯金」とは言えないのです。
「何も考えずにお金が貯まっていた」というのは理想ではありますが、現実はしっかりと目的と目標を立てて、根気をもってやらないとなかなか難しいものです。
貯金をしたい人は今から口座を作って、毎月コツコツその口座に振り込むようにしていきましょう。